糖尿病と脂質(zhì)異常癥の関係｜合併するとどうなる？

醫(yī)學(xué)博士 三島 渉（橫浜弘明寺呼吸器內(nèi)科?內(nèi)科クリニック理事長(zhǎng)）
最終更新日 2025年06月04日

糖尿病と脂質(zhì)異常癥は、どちらも生活習(xí)慣病の代表的な疾患であり、併発しやすい疾患でもあります。

血糖値をコントロールするホルモンであるインスリンは、糖代謝だけでなく、脂質(zhì)の代謝にも関與しています。そのため、糖尿病の影響でインスリンの分泌や働きが低下すると、體內(nèi)に脂肪が蓄積してしまうことがあります。

さらに、中性脂肪がインスリンの働きを妨げるため、糖尿病と脂質(zhì)異常癥は互いに悪影響を及ぼします。

この記事では、糖尿病の人が脂質(zhì)異常癥を併発しやすい理由と、それを防ぐ方法について解説します。

目次 [非表示]

１．糖尿病とはどのような病気か

糖尿病は、血糖値を調(diào)整するホルモンであるインスリンの分泌や働きがうまくいかなくなるため血糖値が下がらず、高血糖が続く病気です。

＜診斷基準(zhǔn)＞
空腹時(shí)の血糖値が126mg/dL以上
または食後2時(shí)間後の血糖値が200mg/dL以上

糖尿病は大きく分けて1型と2型に分類されます。

1型糖尿病は、免疫の仕組みが誤って自分のすい臓を攻撃してしまうことで、インスリンの分泌量が減るために発癥すると考えられています。

2型糖尿病は、インスリンの分泌不足やその効果が十分に発揮されないことで血糖値が下がらなくなります。発癥には肥満やストレス、遺伝的要因が関與しています。

◆「糖尿病と遺伝の関係」＞＞

糖尿病は一度発癥すると基本的に治ることはなく、血糖値を正常範(fàn)囲に保つ治療が必要となります。

未治療や治療の中斷で高血糖狀態(tài)が続くと、動(dòng)脈硬化を引き起こし、さまざまな合併癥のリスクが高まります。

合併癥により、失明したり、人工透析が必要になる場(chǎng)合もあり、最悪の場(chǎng)合、命に関わることもあります。

◆「糖尿病」についてもっとくわしく＞＞

２．脂質(zhì)異常癥とはどのような病気か

脂質(zhì)異常癥とは、血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質(zhì)が異常な値になる病気です。高LDLコレステロール血癥、低HDLコレステロール血癥、高トリグリセリド血癥の3種類があります。。

＜基準(zhǔn)値＞
　?LDLコレステロール　140mg/dL以上

　?HDLコレステロール　40mg/dL未満

　?トリグリセド　150mg/dL以上（空腹時(shí)採(cǎi)血）

　?Non-HDLコレステロール　170mg/dL以上

コレステロールは細(xì)胞膜やホルモンの材料となる脂質(zhì)で、LDL（悪玉）コレステロールとHDL（善玉）コレステロールの2種類に大きく分けられます。

【參考情報(bào)】『Cholesterol Levels』Cleveland Clinic
https://my.clevelandclinic.org/health/articles/11920-cholesterol-numbers-what-do-they-mean

この２種類のコレステロールのバランスが崩れると、血管內(nèi)にコレステロールがたまりやすくなり、動(dòng)脈硬化の原因になります。

トリグリセリド（中性脂肪）は、食べ物から得た脂肪がエネルギーとして使われる際に、使われずに蓄積された脂肪です。

この、體內(nèi)に蓄積されたトリグリセリドが過(guò)剰になると、血管に悪影響を與えて動(dòng)脈硬化が引き起こされる恐れがあります。

脂質(zhì)異常癥を放置すると動(dòng)脈硬化が進(jìn)み、心血管疾患のリスクが高まります。最悪の場(chǎng)合、心臓の血管が詰まることで突然死を招くこともあります。

◆「脂質(zhì)異常癥」についてもっとくわしく＞＞

３．なぜ糖尿病と脂質(zhì)異常癥は併発しやすいのか

糖と脂質(zhì)の代謝は密接に関連しているため、糖尿病と脂質(zhì)異常癥を併発することは珍しくありません。

この章では、なぜ併発しやすいのかを説明します。

３－１．余った糖が中性脂肪に変わる

食事で摂取したブドウ糖は、インスリンの働きにより血液から細(xì)胞內(nèi)に取り込まれ、エネルギーとして使われます。

この際、使われなかった余分なブドウ糖は、まずグリコーゲンという形で筋肉や肝臓に貯蔵されます。

【參考情報(bào)】『Glycogen』Cleveland Clinic
https://my.clevelandclinic.org/health/articles/23509-glycogen

しかし、グリコーゲンとして貯蔵できる量には限界があるため、グリコーゲンがいっぱいになると、余ったブドウ糖は肝臓で中性脂肪に変換され、脂肪細(xì)胞に貯蔵されます。

糖尿病になると、インスリンがうまく働かないので、血液中に糖分が大量に殘ります。その結(jié)果、肝臓はその余った糖をどんどん中性脂肪に変えてしまい、脂質(zhì)異常癥が引き起こされるのです。

３－２．脂肪が分解されずに増える

脂肪は、食事が取れない時(shí)に備えて中性脂肪として脂肪細(xì)胞に蓄えられ、必要に応じて分解され、エネルギーとして使われます。

中性脂肪は、リポ蛋白リパーゼという酵素で脂肪細(xì)胞に取り込まれ、ホルモン感受性リパーゼという酵素により、必要な時(shí)に血液中に放出されます。これらの酵素はインスリンの影響を受け、活発になったり抑制されたりします。

糖尿病によりインスリンが不足したり、うまく働かなかったりすると、リポ蛋白リパーゼの働きが悪くなり、ホルモン感受性リパーゼが活発になります。

その結(jié)果、脂肪の分解がうまくいかずに血液中に脂肪が増え、脂質(zhì)異常癥を引き起こすことがあります。

【參考情報(bào)】『糖尿病と臓器合併癥に及ぼす脂質(zhì)異常の影響』日本腎臓學(xué)會(huì)
https://jsn.or.jp/journal/document/55_7/1280-1286.pdf

３－３．中性脂肪がインスリンの働きを妨げる

中性脂肪はインスリンの働きを低下させることがあります。特に、中性脂肪が多い高トリグリセリド血癥の人は注意が必要です。

中性脂肪が増えると、脂肪細(xì)胞が大きくなり、そこから遊離脂肪酸が大量に分泌されます。この遊離脂肪酸が、肝臓や筋肉でのインスリンの働きを阻害することで血糖値が上昇し、糖尿病が悪化することがあります。

【參考情報(bào)】『脂肪細(xì)胞によるインスリン抵抗性の分子機(jī)構(gòu)』日本醫(yī)師會(huì)
https://jams.med.or.jp/event/doc/124110.pdf

４．併発するとどうなる？

糖尿病と脂質(zhì)異常癥を併発すると、他の病気を引き起こすリスクが高くなります。

この章で、これらの病気が併発した場(chǎng)合に発癥しやすい病気について説明します。

４－１．高血圧

糖尿病と脂質(zhì)異常癥が高血圧を引き起こす原因はいくつかあります。

まず、2型糖尿病や脂質(zhì)異常癥の患者さんには肥満の人が多いのですが、肥満の人は塩分を摂りすぎていることがよくあります。この塩分が血管內(nèi)に水分を引き込み、血液量が増えることで血圧が上昇します。

【參考情報(bào)】『Salt intake and prevalence of overweight/obesity in Japan, China, the United Kingdom, and the United States: the INTERMAP Study』The American Journal of Clinical Nutrition
https://ajcn.nutrition.org/article/S0002-9165(22)01150-9/fulltext

次に、肥満によりインスリンの効きが悪くなる影響で、血糖値が上昇します。その結(jié)果、血糖値を下げようとしてインスリンの分泌量が増えます、これが交感神経を刺激して血圧が上がります。

【參考情報(bào)】『Associations of Insulin Resistance With Systolic and Diastolic Blood Pressure: A Study From the HCHS/SOL』American Heart Association
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/HYPERTENSIONAHA.120.16905

さらに、血糖値が高い狀態(tài)が続くと血管の壁が傷ついて硬くなるため、血液が流れにくくなります。すると、血管の中の圧力が上がることで、血圧が高くなります。

【參考情報(bào)】『Diabetes and High Blood Pressure』Johns Hopkins Medicine
https://www.hopkinsmedicine.org/health/conditions-and-diseases/diabetes/diabetes-and-high-blood-pressure

糖尿病が進(jìn)行すると、糖尿病性腎癥を引き起こすことがあります。この腎癥が進(jìn)むと腎臓の働きが悪くなり、體內(nèi)の水分が尿として排出されずに殘ります。その結(jié)果、血液中の水分量が増え、血管內(nèi)を流れる血液が増えるために血圧が上がります。

４－２．動(dòng)脈硬化

糖尿病と脂質(zhì)異常癥が一緒にあると、動(dòng)脈硬化が進(jìn)みやすくなります。

まず、糖尿病で血糖値が高くなると、血管が傷つきやすくなります。この傷にコレステロールが入り込むと、血管內(nèi)に「プラーク」と呼ばれる塊ができて血管が狹くなります。

また、脂質(zhì)異常癥があると、血液中の脂肪過(guò)多により、このプラークがさらに増えます。これにより、血管が硬くなって血液が流れにくくなり、最終的には動(dòng)脈硬化を引き起こします。

【參考情報(bào)】『動(dòng)脈硬化』日本生活習(xí)慣病予防協(xié)會(huì)
https://seikatsusyukanbyo.com/guide/arteriosclerosis.php

４－３．心血管疾患

動(dòng)脈硬化が進(jìn)み、血管內(nèi)にプラークができると、その部分の血管の壁が薄くなります。その薄くなった部分が何らかの刺激によって破裂すると、傷を修復(fù)しようとして血小板が集まり、かさぶたを作ります。このかさぶたを血栓と呼びます。

血栓ができると、その先の血液の流れが悪くなり、狹心癥などの心血管疾患を引き起こすことがあります。

また、血栓で血管が完全に詰まってしまうと、心筋梗塞が起きます。この場(chǎng)合、詰まった部分より先に酸素や栄養(yǎng)が屆かなくなり、心臓が動(dòng)かなくなるため、命に関わることがあります。

４－４．糖尿病の合併癥

糖尿病の合併癥には、細(xì)い血管に影響する「3大合併癥」と呼ばれるものがあります。

　?糖尿病性神経障害

　?糖尿病性網(wǎng)膜癥

　?糖尿病性腎癥

これらの合併癥は、糖尿病と脂質(zhì)異常癥の両方が原因で細(xì)い血管に動(dòng)脈硬化が進(jìn)むことにより、発生しやすくなります。

神経障害では、神経を取り巻く血管に動(dòng)脈硬化が進(jìn)み、神経に十分な酸素や栄養(yǎng)が屆かなくなります。そのため、足先にしびれや痛み、感覚の鈍さが現(xiàn)れることがあります。

腎癥では、腎臓內(nèi)にある糸球體という細(xì)い血管の動(dòng)脈硬化により腎機(jī)能が低下することで、體內(nèi)の老廃物を排出できなくなります。

糖尿病性網(wǎng)膜癥では、目の網(wǎng)膜にある毛細(xì)血管が傷ついたり詰まったりすることで出血し、視力や視野に障害が現(xiàn)れます。

◆「糖尿病の合併癥を知り、予防に備えよう！」＞＞

４－５．認(rèn)知癥

糖尿病や脂質(zhì)異常癥で動(dòng)脈硬化が引き起こされると血流が悪くなり、脳に必要な栄養(yǎng)や酸素が十分に屆かなくなります。これが原因で、脳の働きが悪くなり、認(rèn)知癥のリスクが高まります。

また、糖尿病の人は「アミロイドβ（ベータ）」というタンパク質(zhì)が脳にたまりやすく、この物質(zhì)が脳を傷つけてアルツハイマー病を引き起こすことがあります。

【參考情報(bào)】『Alzheimer’s: New Study Supports Amyloid Hypothesis But Suggests Alternative Treatment』Columbia Medicine
https://www.cuimc.columbia.edu/news/alzheimers-new-study-supports-amyloid-hypothesis-suggests-alternate-treatment

さらに、糖尿病の影響で低血糖になると、糖分の不足により脳がうまく動(dòng)かなくなります。これが続くと、集中力がなくなったり、頭がぼーっとしたり、記憶力が悪くなったりすることがあります。

これらの原因が重なることで、認(rèn)知癥のリスクが高くなっていきます。

【參考情報(bào)】『Diabetes and the risk of dementia』Alzheimer’s Society
https://www.alzheimers.org.uk/about-dementia/managing-the-risk-of-dementia/reduce-your-risk-of-dementia/diabetes

５．糖尿病と脂質(zhì)異常癥の併発を予防するには

糖尿病と中性脂肪が併発すると、長(zhǎng)期的な治療が必要になります。そのため、できるだけ併発しないように予防することが重要です。

この章では、併発を予防するための対策について説明します。

５－１．食事

糖尿病と脂質(zhì)異常癥を予防するためには、食事がとても大切です。バランスの取れた食事を心がけることで、血糖値や脂肪を健康的に保ちましょう。

＜炭水化物を上手に摂る＞
炭水化物は、體のエネルギー源になる重要な栄養(yǎng)素ですが、食べすぎると血糖値が急激に上がりやすいので、食べる量に気をつけましょう。目安量は摂取エネルギーの40～60％です。

＜野菜やキノコをたっぷり食べる＞
野菜やキノコには、血糖値の上昇を抑える働きがある食物繊維が豊富です。毎食、色々な種類の野菜を取り入れましょう。

◆「糖尿病の食事に欠かせないキノコ」＞＞

＜良質(zhì)な脂肪を選ぶ＞
脂質(zhì)は必要な栄養(yǎng)素ですが、取りすぎると中性脂肪が増えてしまいます。摂取エネルギーの25％以下を目安に食事にとりいれましょう。

オリーブオイルやナッツ、魚(yú)（特にサバやサーモン）に含まれるオメガ3脂肪酸など、健康に良い脂肪を選ぶようにすると、なおいいでしょう。

◆「オメガ3系の油」についてくわしく＞＞

既に脂質(zhì)異常癥と診斷されている人は、中性脂肪やコレステロールの狀態(tài)によって制限すべき脂質(zhì)が異なるため、主治醫(yī)や栄養(yǎng)士の指示に従って脂質(zhì)を選びましょう。

＜タンパク質(zhì)をバランスよく摂る＞
摂取エネルギーの20％を目安に、肉や魚(yú)、大豆製品（豆腐や納豆など）をバランスよく食べましょう。

ただし、肉は脂肪が少ない部分を選び、焼くか蒸すなど、調(diào)理法にも工夫をしましょう。

◆「たんぱく質(zhì)をたっぷり摂って美と健康を」＞＞

＜食べ過(guò)ぎないように注意する＞
1回の食事量を少なくして、1日3食を規(guī)則正しく食べるようにしましょう。

＜お菓子やジュースを控える＞
甘いお菓子やジュースは血糖値を急激に上げる原因になります。おやつを食べるときは、ナッツや果物など、體に良いものを選びましょう。

◆「血糖値に影響が出にくい間食は？」＞＞

５－２．運(yùn)動(dòng)

運(yùn)動(dòng)には、食後の血糖値を抑えたり、インスリンの働きをよくしたりする効果があります。

運(yùn)動(dòng)をすると、筋肉がエネルギーをたくさん使うため、血液中のブドウ糖を多く取り込みます。その結(jié)果、血糖値が自然に下がります。さらに、中性脂肪を減らし、體に良いHDLコレステロールを増やす働きもあります。

運(yùn)動(dòng)は有酸素運(yùn)動(dòng)を中心に取り入れましょう。ウォーキングやジョギング、水泳など、全身を使う運(yùn)動(dòng)がおすすめです。余裕がある人は、筋力トレーニングを加えると、さらにインスリンの働きがよくなります。

ただし、激しすぎる運(yùn)動(dòng)は負(fù)擔(dān)が大きく、続けにくくなります。自分に合った運(yùn)動(dòng)を、無(wú)理なく毎日続けることを心がけましょう。

５－３．定期的な検査

糖尿病や脂質(zhì)異常癥は、はっきりとした自覚癥狀がないことが多く、改善や悪化も実感しにくい病気です。そのため、治療の効果を感じにくく、途中で意欲が下がってしまうこともあります。

そこで大切なのが定期的な検査です。検査を受けることで、自分の體の狀態(tài)を正しく知り、病気の進(jìn)行を防ぐことができます。

また、血糖値を測(cè)定している場(chǎng)合は、その記録を醫(yī)師に見(jiàn)せることで、血糖コントロールの狀況を詳しく確認(rèn)してもらえます。しっかりと管理を続け、醫(yī)師と情報(bào)を共有することで、健康を維持しやすくなるでしょう。

６．おわりに

糖尿病と脂質(zhì)異常癥を併発すると動(dòng)脈硬化が進(jìn)み、心筋梗塞や脳卒中などの深刻な合併癥のリスクが高くなります。

そのため、糖尿病と診斷されたら、食事?運(yùn)動(dòng)?適切な治療を続けることが大切です。日々の生活習(xí)慣を見(jiàn)直し、脂質(zhì)異常癥の発癥を防ぎましょう。

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